そもそも還暦って何?

満60歳を「還暦(かんれき)」と呼ぶことは、広く知られていることですが、なぜ還暦という名前がついているのでしょうか?60年で干支(十干十二支)が一巡して生まれた年の干支に戻ることから、赤ちゃんに戻る・第二の人生に生まれかわるとの考え方を元にして、「暦」が「還る」というところから「還暦」と呼ばれるようになりました。

「生まれた年の干支に戻る」この場合の「干支」とは、「十干十二支」を指します。「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の十二支と、暦や時間、方角などを表す「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の十干を組み合わせたのが「十干十二支」であり、60年周期で一巡します。例えば、1956年生まれで2016年に還暦を迎える方の干支は「丙申(ひのえ さる)」になります。

還暦を祝う習慣は、遣隋使や遣唐使の時代に中国から伝わり始まったとも言われます(諸説あります)。まだ平均寿命が短かった頃、60歳は大変長寿な年齢だったため、長寿の記念として日本でもお祝いが行われるようになりました。
還暦祝いは、もともと数え年を基準にしていたため、生まれた年の干支に戻る61歳の正月に祝っていました。ただ、数え年を用いることが少なくなり、満年齢を用いることが多くなったため、最近では満60歳の誕生日や、親族が集まりやすい長期休暇などにお祝いをすることが多いようです。
ちなみに「数え年」は生まれた時の年齢を1歳とし、元旦の1月1日を迎える度に1歳ずつ増えていく数え方です。数え年・満年齢のどちらでお祝いされても全く問題ありません。

また、還暦といえば「赤いちゃんちゃんこ」を着るのが定番となっていますが、なぜそんな習慣があるのでしょうか?
還暦に着る赤いちゃんちゃんこには「赤ちゃんに還る」というところから来ています。昔は魔除けの意味を込めて産着に赤色が使われていたことから、赤い衣服を贈る習慣ができ、さらにその頃はお祝いをする時期がお正月だったため、防寒着のちゃんちゃんこになったようです。現在は季節を問わず還暦祝いを行うため、ちゃんちゃんこといっても生地の厚い防寒着とは違いますが、少しずつやり方が変わっていても、長寿を祝う気持ち、健康を願う気持ちに変わりないということではないでしょうか。

昔の平均寿命が50歳にも満たない時代において、驚くほどの長寿であった60歳という年齢も、今では「まだまだ若い!」と言われる年齢です。贈られた赤いちゃんちゃんこに、年寄り扱いはイヤだと言われる方も珍しくありません。「長寿のお祝い」はもちろん、「第二の人生のスタート」ということで、まだまだ先が長い人生を楽しんでもらえる還暦祝いにしたいものですね。